吃音・流暢性障害学会第13回大会に参加しました。

今年も参加しました、吃音学会の大会。今回で13回目となります。正式な名称は日本吃音・流暢性障害学会といいます。

今年は九州大学病院で開催され、大会長は菊池良和先生でした。”吃音ドクター”のニックネームで有名な先生ですね。

 

今回はつばさ吃音相談室から2名が口頭発表をおこないました。共に「吃音症に対する新しい流暢性形成法(T-SIM)の開発」というテーマで思春期2症例、成人期2症例の計4症例を報告させていただきました。

 

T-SIM(Tsubasa-stuttering improvment method)とは、当相談室が開発を行う吃音症を対象とした新しい言語訓練法です。2023年、これまでの取り組みの一つの結論として、以下のような目標を掲げ、新たな言語訓練の開発に着手しました。

 

⑴思春期以降の吃音の症状に対応できること

⑵日常生活に支障のない水準の流暢さと自然さが獲得できること

⑶訓練場面だけでなく、日常生活場面や心理的負荷の高い場面に効果が汎化されること

⑷広く多くの支援者が習得し得る技法であり、明確にマニュアル化されていること

⑸一定の水準のエビデンスレベルを備えていること

 

吃音のある方が言語訓練を受けたとしても、訓練室以外の場所でスムーズに話すことは困難だと言われています。今回、成人期の2症例については訓練室以外の心理的負荷の高い場面(不安や緊張)での効果を検証するために、訓練後の再評価を当相談室で実施せず、他施設において当相談室の言語聴覚士以外の先生に依頼しました。つまり、二人の被験者は初めて訪れる場所で初対面の先生に再検査される状況だったということです。二人とも普段感じることのない強いプレッシャーを感じたそうです。

 

私たちの掲げた目標は決して簡単なものではありません。とても高い目標設定だといえます。しかし、これらの目標が達成されなければ、吃音のある方が自身の症状と向き合う際の有効な選択肢とはなり得ないと考えます。今後さらに症例数を増やし、より高度な分析や解析を経て、吃音のある方の有効な選択肢となるよう作業を継続していきます。今回の発表に際してご協力いただきました皆様、本当にありがとうございました。